「もっと稼げたら楽になるのに」
「年収が上がれば、貯金も増えるはずだ」
──誰もが一度はそう思ったことがあるだろう。
でも現実は違う。収入が増えても、なぜか金が残らない。
むしろ生活レベルは上がっているのに、口座残高は増えない。
これは何も、浪費家の話ではない。
一見、堅実で真面目な人間でさえ、“収入が増えても苦しい地獄”にハマることがある。
なぜか?
理由はシンプルだ。
「お金を使う器が、収入に追いついていないから」だ。
収入とは、“エネルギー”だ。
収入が増えるというのは、エネルギー量が増すということ。
でも、そのエネルギーを流す「配線」や「設計」が貧乏人のままなら、
エネルギーはどこかでショートする。つまり、“使い切って終わる”。
たとえば、年収が300万円の時は、家賃5万円・車なし・月1の外食だった人が、
年収が600万円になったとたん、家賃12万円・新車購入・週3外食に変わる。
結果、使う額も増えたので、残る金は変わらない。
これを「生活水準の罠」という。
収入が増えると、自然と生活コストも上がってしまう。
これは無意識のうちに起きる。本人は「ご褒美」と思っているが、
実際は**“消費の自動反応”に支配されているだけ。**
さらに厄介なのは、増えた収入を“仕組み化”できていないこと。
収入が上がったら、まず「何割を貯金」「何割を投資」「何割を使う」と自動で回すべきだが、
ほとんどの人は、増えたぶんを“とりあえず全部可処分所得”として扱う。
だから、生活費が膨らみ、浪費が増え、金が消える。
この時点で、収入がいくら上がっても“運用不能な金”になっている。
もっと稼ごうが、ボーナスが入ろうが、宝くじが当たろうが、全て流れて消える運命だ。
そして最後の致命傷が「増えた収入を“安心材料”に使ってしまうこと」。
「収入上がったし、ちょっと贅沢してもいいよね」
「これくらいの出費なら大丈夫だろう」
その“ちょっと”が、未来の選択肢を削る毒になる。
収入が増えても貧乏な人は、
収入を“使うこと前提”で捉えている。
金持ちになる人は、
収入を“運用するもの”と捉えている。
この違いが、数年後にとんでもない差を生む。
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