第一章 「4%ルール」という幻想
今でもSNSではこう言うヤツがいる。
「年間支出の25倍を貯めて、年4%ずつ取り崩せば一生安泰だ」──と。
これはトリニティ大学の研究(1998年)で広まった有名な理論だ。
正式名称は「Retirement Savings: Choosing a Sustainable Withdrawal Rate」。
1926年〜1995年の米国株データをもとに、30年間資産が尽きない“安全な取り崩し率”を検証したもの。
その後、2011年にアップデート研究も出ている。
だが、どちらも前提は古い。
ビットコインもレバレッジETFもなかった時代。
インフレ率は今より低く、金利も高く、生活コストも上昇していなかった。
つまり──「安定した経済を前提にした安全率」なんだ。
2025年のように、通貨が溶けていくインフレ社会では、
もはや「4%で安泰」なんて夢物語に過ぎない。
第二章 “安定”に逃げた者から焼かれる
FIRE(早期リタイア)勢がよく言う。
「もう十分貯めた」「配当と取り崩しで生きていける」──と。
だがその裏では、インフレが確実に彼らの資産を削っている。
通貨は静かに劣化し、モノの価格だけが上がる。
家賃、食費、光熱費──すべてのコストが上昇。
つまり、“貯金して生きる”という発想そのものが負け戦なんだ。
トリニティ研究の頃は、ドルの購買力が強く、
「資産を守る」という考え方が通用した。
だが今は、守る=減るという構造に変わっている。
4%取り崩してる間に、物価が7%上がる。
もう計算式が破綻してるんだよ。
第三章 「当時のルール」は、ゆっくり動く時代の産物
1998年、つまりWindows98の時代。
メールもFAXも当たり前、Amazonすら始まったばかり。
経済のスピードは“年単位”で動いていた。
だが今はどうだ?
AIが株を秒単位で売買し、仮想通貨は24時間動き続ける。
社会変化の単位が“年”から“日”になった。
そんな時代に、「4%ずつ取り崩せばOK」なんて
時代遅れもいいところだ。
FIRE勢のミスは、ルールを信じすぎていること。
彼らは「当時だから成功した」人々のモデルを、
「いつの時代でも通用する」と勘違いしている。
資本主義に“永久不変の法則”なんて存在しない。
存在するのは、常に新しい構造と速度だ。
第四章 ルールを信じる者は、構造を見失う
「バフェットが言ってたから」
「投資の名著に書いてあったから」──
そうやって、古いルールを信じる人間ほど、
現代の波を取り逃がしていく。
なぜなら、ルールは“その時代の勝者”が作ったものだからだ。
4%ルールも、当時の米国の勝者たちが作った“黄金期の方程式”。
だが今は、インフレ率も金利構造も、テクノロジーの速度も違う。
つまり──
「ルールを守る者」は、常に「仕組みに食われる側」になる。
賢い投資家はルールを信じない。
ルールが生まれた構造を理解し、
次のルールを“自分で設計する”。
それが投資の本質だ。
第五章 インフレを恐れるな、味方につけろ
インフレは敵じゃない。
敵だと思う人間が焼かれるだけだ。
インフレは、資産を持つ者には武器になる。
借金して資産を保有すれば、実質的に負債は軽くなる。
現物資産(株、金、ビットコイン)を持つ者は、
通貨の価値低下とともに名目上の資産が膨張する。
逆に、現金を貯める者・取り崩す者は、
インフレに資産を食われる側に回る。
2025年以降の資本主義は、
「守る者」ではなく「攻める者」が生き残る。
つまり、通貨を持つな。通貨を超えろ。
第六章 結論:4%ルールは、過去の遺物だ
4%ルールは、
インターネット前夜のアメリカに通用した“古典”だ。
だが今の時代、通貨も社会も、複利の速度も別次元に進化している。
今必要なのは「どれだけ取り崩すか」ではなく、
「どれだけ速く回すか」。
テクノロジー、AI、レバレッジ、暗号資産──
資本の速度を操ることが、
新時代の“生き残る方程式”だ。
バフェットを真似るな。
教科書を信仰するな。
自分の時代を読め。自分のルールを設計しろ。
それが、現代版のFIRE──
いや、“燃え尽きない投資家”になる唯一の道だ。


コメント