「臨時収入が入ると、なぜかすぐ使いたくなる」
「給料日直後は財布の紐がゆるむ」
──これ、あなただけじゃない。人間の“脳のバグ”に近い自然反応なんだ。
この現象を脳科学では「メンタルアカウンティング(心の会計)」と呼ぶ。
脳は“同じ1万円”でも、「どこから入ったか」「どう感じてるか」で価値の感じ方が変わる。
給料として稼いだ1万円は「慎重に使う」。
でも、ボーナスや臨時収入、キャッシュバックで得た1万円は「遊びで使っていい」と判断する。
この“お金の感情的なラベリング”が、収入の使い方を狂わせる元凶だ。
これが加速すると、「入ったら即使う脳」が完成する。
そしてこの習慣が根づくと、金が入るたびに使う。増えれば増えるほど使う。
結果、稼いでるのに金が貯まらない人間が出来上がる。
もっと言えば、これは“脳が報酬を欲しがる”状態だ。
脳は「報酬予測」が大好きで、「入ってくる→使える→気持ちいい」という快楽回路を学習する。
この“ご褒美ループ”が強化されると、お金は「未来を変える道具」ではなく「今日を気持ちよくする麻薬」に変わる。
一番怖いのは、これが“無意識に”起きていることだ。
本人は「今月ちょっと使いすぎたな」「たまたまタイミング悪かった」と言うが、
実際は、脳の反応に操られて同じ行動を毎月繰り返している。
しかもこれは、収入が増えれば増えるほど悪化する。
「自分は稼げてるから大丈夫」という安心感が、ブレーキを壊す。
貯金があっても、クレジットの枠が増えても、使う。
ボーナスが入れば、旅行・高級品・最新ガジェット──脳が気持ちいいことを勝手に選ぶ。
それが、「稼げてるのに、なぜか残らない」最大の理由だ。
だから必要なのは、“脳の誤作動”を先回りして潰す仕組みだ。
・収入が入ったら、まず自動で3割は別口座へ飛ばす
・「臨時収入=全額運用」という自分ルールを設ける
・財布やアカウントから“物理的に見えない場所”へ金を逃がす
・快楽欲求は「使うこと」ではなく「増えること」にすり替える
このように、“お金を使わせない構造”を設計しない限り、人は金を守れない。
あなたの意志力なんて、脳の快楽回路に勝てるほど強くない。
だからこそ、環境を先に作る。自動化して守る。
「金が入った瞬間、使う」がデフォルトになっている脳を、
「金が入った瞬間、資産化される」に変えていくこと。
これが、金を“残す人間”になるための最初のハックだ。
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